薬膳は知恵袋📖

薬膳は特別じゃない。おばあちゃんの知恵袋のように、暮らしに生きる養生

今回は、コラムとして「薬膳」について書いてみたいと思います。

「薬膳」や「漢方」って聞いて、みなさんどのようなイメージを浮かべますか？

漢方薬、中国の高級料理、特別な食材…
苦い、おいしくない、なんだか敷居が高そう、難しそう…

などなど、そう感じている方多いのではないでしょうか？私もそうでした。

子育てに家事に仕事に、自分の時間なんてほとんどないし、ましてや「薬膳」なんて、ハードル高すぎ！と思っていました。でも、実は薬膳って、もっと身近で、もっとシンプル。昔の日本のおばあちゃんの知恵袋のように、暮らしの中に自然と生きているものなんです。

薬膳ってどういうもの？

薬膳とは、簡単に言うと「季節・体質・体調に合わせて、食材を選ぶこと」。
特別な漢方薬や珍しい食材を使わなくても大丈夫なんです。
例えば、「冷えやすい体質だから、料理にしょうがをプラスしてみよう」「最近疲れ気味だから、おやつに黒ごまやなつめを食べてみよう」…これだって立派な薬膳なんです。

私たちの体は、季節や環境の変化、そして日々の生活の中で常に影響を受けています。
夏は暑さで体力を消耗しやすく、冬は寒さで体が冷えがち。
また、ストレスや疲れが溜まると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったりもします。
薬膳は、こうした変化に合わせた食事をすることで、体のバランスを整え、健康を維持していくための知恵なのです。

実は身近にある“薬膳的な食事”

薬膳と聞くと、どうしても中国のイメージが強いですよね。確かに、元は中国で発展した伝統医療「中医学」です。
実は、それが日本に入ってきて日本独自の風土や食材などに合わせてアレンジされたものが「漢方」です。
なので、日本の伝統的な食文化にも、薬膳の考え方が深く根付いています。

例えば、おばあちゃんが作ってくれた梅干し。
梅には抗菌作用や疲労回復効果があり、夏バテ防止に最適です。

また、毎日の食卓に欠かせない味噌汁。最近は海外でも「miso_soup」としてダイエット効果も注目されていますよね。
味噌には、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があります。さらに、大根おろしは消化を助け、胃腸の働きを活発にしてくれます。

他にも、春に山菜を食べる、夏にすいかを食べる、秋にはきのこを食べる…これらはすべて、その季節に不足しがちな栄養素を補い、体の調子を整えるための、自然な薬膳と言えるでしょう。旬の食材を食べるということは、まさに「その季節に合った体づくり」をしていることなのです。

「漢方」は、科学技術が発達する何千年も前から、先人たちが実際に身を持って体感したこのような知恵をまとめてわかりやすくした教科書のようなもの。すごいですね

忙しいママでもできる！ゆる薬膳生活のすすめ

「薬膳って、体に良さそうだけど、毎日続けるのは大変そう…」そう思っている方も多いかもしれません。
でも大丈夫！薬膳は、毎日完璧に実践する必要はありません。「気づいたときに、ちょっとだけ」で十分なんです。

例えば…

スーパーで食材を選ぶとき、「今日は体がだるいから、元気の出る食材を選ぼう」「最近、肌荒れが気になるから、ビタミンCが豊富な食材を選ぼう」など、食材を「効能」という視点で選んでみるだけでも、立派な薬膳の第一歩です。

無理なく続けられる、自分なりの「ゆる薬膳」を見つけることが大切です。
1日3食すべてを薬膳にする必要はありません。
1食だけでも、1品だけでも、できることから始めてみましょう。

また、薬膳は子供の食事にも取り入れていくことができます。

例えば、風邪気味の時にお粥に生姜を少し加えてみたり、便秘気味の時にお味噌汁に食物繊維の多い野菜をたっぷり入れてみたり…
ちょっとした工夫で、子供の健康をサポートすることができます。

日本の「節句」には薬膳のヒントがたくさん！

薬膳は、日頃過ごす上では特別な資格や知識が必要な難しいものではありません。
自分や家族の体に耳を傾け、食事でケアしていくこと。それこそが、薬膳の基本であり、最も大切なことです。

最初は、どんな食材にどんな効能があるのかわからないかもしれません。
悩んだらとりあえず「旬のもの」を選びましょう！

また、日本には こどもの日、ひな祭り、七草粥など、たくさんの節句や行事食があります。
各節句で用意する食材には それぞれ意味があり、その時期によく採れるもの、栄養が豊富なものがうまく取り入れられています。

日本の慣習について学びながら その時期の体のメンテナンスもできるなんで、一石二鳥ですね！

こちらのサイト（『日本の行事・暦』さん）では、日本の節句や季節の食材、行事や暦についてとてもわかりやすく、詳しく紹介されています。ぜひチェックしてみてください！

薬膳は、決して特別なものではありません。
おばあちゃんの知恵袋のように、私たちの暮らしの中に自然と存在するもの。

この記事が、「薬膳って、私にもできるかも」そんな風に思える、きっかけになれば嬉しいです。
自分自身の体と、そして大切な家族の健康のために、今日から「ゆる薬膳」を始めてみませんか？